2006年12月28日(木)「しんぶん赤旗」

安川電機の偽装請負

労働局が違法認め指導

福岡


 産業ロボットメーカー大手の安川電機(本社・北九州市)の偽装請負問題で、厚生労働省福岡労働局は二十七日、違法だとして是正を指導したことを明らかにしました。当事者の一人で同社社員の八記(やつき)博春・日本共産党県議に説明したものです。同社社員の波田良一さん(58)と八記県議が今年十月、同社の偽装請負の実態を福岡労働局に告発していました。

 一方で、安川電機が「違法を解消するため」といって同社社員を請負会社に在籍出向させた問題では、労働局が合法との不当な判断を示したため、八記氏が強く批判しました。

 在籍出向問題では、職業安定法四四条が禁じる「労働者供給事業」に該当する脱法行為で、偽装請負隠しだとの批判が起きています。労働局の判断は、請負会社が100%出資の孫会社であることから、「同一グループ内の人事交流とみなせる」として労働者供給事業に当たらないとしたものです。

 八記氏は「同社が『出向者は三年たっても帰るところはない』と説明している。人事交流ではないし、いまだに指揮命令も安川から行われている」と告発。出向先で将来は労働条件・賃金の切り下げが起きるし、請負会社の労働者はワーキングプアそのものだとのべ、「脱法行為を隠ぺいするため、安川の労働者を請負会社へ出向させることを容認すれば、コストダウンを目的とした異常な働かせ方を奨励することになる」と、見解の撤回を強く迫りました。

 労働局は「指揮命令系統など、改善されていないとの指摘を受けたので、再度調査したい」と約束しました。


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