2006年12月29日(金)「しんぶん赤旗」
自民、言い訳集
「大企業減税・庶民増税」への批判苦慮
自民党はこのほど同党の全国会議員を対象に『平成19年度税制改正 一問一答集』を配布しました。大企業に減税、庶民に増税という「改正」にたいする国民の批判に「来年の地方選、参院選対策」(自民党関係者)として言い訳をはじめたものです。
『一問一答集』はA4判で設問は全部で十七問です。このうち大企業減税については「定率減税の廃止など、個人については増税される一方、今年の税制改正は企業減税ばかりではないか」との問いを設定。「大企業だけではなく中小企業、個人事業主も適用できるものである」などと釈明しています。しかし、減価償却制度は、設備投資が大きい大企業がもっぱら恩恵を受けるものです。
庶民増税の定率減税廃止については「臨時の減税措置を景気の回復を踏まえ廃止したもの」と説明しています。これも、同時に実施した法人税の引き下げは据え置くという不公平な措置にはなんらふれていません。
また「国民の受け取る年金給付が当面毎年1兆円以上増加する見込み」であり「国民としての受益が増えているという面も併せトータルの国民生活への影響を議論すべき」だと答えています。しかし、来年度から「団塊の世代」の退職で年金受給者が増えるなど受給総額が増えるのは当然。むしろ年金改悪で、国民は保険料を引き上げられ受給額は減らされます。
「法人実効税率の引下げの議論はどうなったのか?」との問いには、「企業部門の好調さが個人部門になかなか波及しない中、なぜ企業ばかりを優遇するのか」などの「論点を考慮しながら検討していくべき課題」としています。国民の厳しい批判に苦慮する様子が浮き彫りになっています。
一方、「一問一答集」では「平成19年度を目途に、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく、取り組んでいく」と消費税増税を強調しています。
▼自民党が配布した『一問一答集』
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