2006年12月30日(土)「しんぶん赤旗」
イラク特措法延長へ
情勢泥沼化のなか 政府が方針
政府は二十九日、来年七月末で期限切れとなるイラク特措法を延長する方針を固めました。延長幅は一―二年間程度を軸に調整します。来年一月の通常国会に同法の延長法案を提出します。イラク情勢が一層泥沼化している中で、来年八月以降も同法に基づき米軍に対する航空自衛隊の空輸支援活動を継続しようとするものです。
同法は二○○三年七月に四年間の時限立法として成立。自衛隊のイラク派兵の根拠となっています。派兵期間などは基本計画で定められ、今月八日に来年七月末まで延長されました。政府は今年七月の陸上自衛隊の撤収以降も、空自がクウェートを拠点にバグダッドなどとの間で空輸支援を行っています。
政府はイラク情勢について「来年七月末の時点で改善される見込みはない」(外務省幹部)と判断。来年八月以降も米国主体の多国籍軍による活動が継続される可能性が高いとみています。
一方で、延長幅に関しては、米政府がイラク政策の見直しを進めているため、政府・与党内でも「最小限にとどめるべきだ」との意見が強く、米国の動向などを見極めた上で最終判断する方針です。