2007年1月3日(水)「しんぶん赤旗」
家賃ゼロの衆参議員会館に
多額の「事務所費」支出
自民・民主議員ら 18人が年1千万円超
賃料のない議員会館を資金管理団体の「主たる事務所」にしながら、家賃が中心で領収書のいらない「事務所費」の支出を年間一千万円以上も計上している国会議員が十八人もいることが本紙の調べでわかりました。昨年の臨時国会で自民、公明、民主の各党は外資系企業の献金を解禁する法案を成立させましたが、不透明な政治資金の使い方に、国民の批判が集まるのは必至です。
総務相に提出された二〇〇五年分政治資金収支報告書を調べたもの。これによると、自分の資金管理団体の「主たる事務所」を東京・永田町の衆参議員会館の自室に置いている国会議員は自民、公明、民主、社民、国民新党、新党日本など百六十三人にのぼります。国会議員のほぼ五人に一人という比率の高さです。日本共産党の議員は資金管理団体をもっていません。
百六十三人のうち、事務所費や光熱水費、人件費、備品・消耗品費の支出が「ゼロ」という議員は十三人で、ほとんどが事務所費を計上しています。その額は、伊吹文明文部科学相の四千百四十六万千三百二十二円、松岡利勝農水相三千三百五十九万五千四百二十八円を筆頭に一千万円以上が計十八人(表参照)、五百万円―一千万円が十二人もいます。
自治省(現総務省)の選挙部政治資金課編集による『逐条解説「政治資金規正法」』(ぎょうせい)によると、「事務所費」は「政治団体の事務所の借料損料(地代、家賃)、公租公課、火災保険料、電話使用料、切手購入費、修繕料等事務所の維持に通常必要とされる経常的な経費が該当する」とされています。
家賃がゼロにもかかわらず、事務所費の支出が何百万円、何千万円というのは不自然です。
「事務所費」1000万円以上を計上している議員
伊吹 文明文部科学相 4146万円
松岡 利勝農水相 3359万円
中川 昭一政調会長 3096万円
鈴木 俊一元環境相 3012万円
金田 勝年前外務副大臣 2849万円
亀井 静香国民新党代表代行 2418万円
松本 剛明民主党政調会長 1866万円
武田 良太衆院議員(無) 1588万円
江藤 拓衆院議員(無) 1487万円
加納 時男参院議員 1416万円
衛藤征士郎元防衛庁長官 1409万円
佐藤 昭郎参院議員 1388万円
遠藤 利明文科副大臣 1313万円
中山 太郎元外相 1238万円
小坂 憲次前文部科学相 1192万円
保岡 興治元法相 1185万円
滝 実新党日本総務会長 1141万円
加藤 紘一元自民党幹事長 1041万円
≪注≫金額は万円以下切り捨て。政治資金収支報告書(05年分)で作成。「無」は無所属