2007年1月4日(木)「しんぶん赤旗」
潘国連事務総長が初会見
北朝鮮核は最優先課題
【ワシントン=鎌塚由美】一日に第八代国連事務総長に就任した潘基文氏(前・韓国外交通商相)は二日、国連本部に初登庁して記者会見し、スーダン、イラク、北朝鮮などの問題解決に意欲を示しました。
事務総長の任期は五年。北東アジア出身の事務総長は潘氏が初めて。アジア出身は、一九七一年末退任のウ・タント氏(ビルマ=現ミャンマー=出身)以来二人目です。
潘事務総長は、北朝鮮核問題が「最優先課題の一つ」だとし、六カ国協議の進展のために関係各国および安保理各国と協議する意向を表明しました。スーダン・ダルフール問題に関連しては、今月末にエチオピアの首都アディスアベバで開かれるアフリカ連合(AU)首脳会議に出席することを明らかにしました。エチオピアが事務総長就任後の最初の訪問先となります。
フセイン元イラク大統領の処刑について問われた潘氏は、「フセインは、イラクの人々に対する凶悪犯罪と言語に絶する残虐行為をした責任を負っている。彼の犯罪の犠牲者のことを決して忘れるべきでない」と述べた上で、死刑制度については、「国際人道法のすべての側面に留意」しつつ、「各国が決めることだ」と語りました。
国連事務総長が任命したアシュラフ・カジ・イラク担当特別代表は昨年十二月三十日、フセイン元大統領の死刑執行を受け、「多くのイラクの人々の正義を求める情熱は理解する」としつつ、「生存権尊重の原則に基づき、戦争犯罪、人道に対する罪および虐殺の事例であっても、国連は引き続き死刑制度に反対する」と表明していました。