2007年1月6日(土)「しんぶん赤旗」
消費税 2段階で増税
経団連会長 社会保障削減も要求
財界三団体(日本経団連、経済同友会、日本商工会議所)は五日、東京都内のホテルで新年恒例の共同記者会見を行い、今年の参院選挙で消費税増税を含む税・財政問題を争点にすべきだとの考えを示しました。
日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)は、消費税増税論議が参院選挙の争点として避けられないとの見通しを示し、「消費税率は二〇一一年度までに2%程度上げざるをえない」と改めて表明しました。さらに将来的に消費税率を10%に引き上げてもなお財政赤字は解消しないとして、「歳入、歳出のあり方の全般的な議論を」と強調。庶民大増税とともに、社会保障などの徹底した歳出の削減を求めました。
経済同友会の北城恪太郎代表幹事(日本IBM会長)は、いま消費税を引き上げると「歳出削減が達成できなくなる」との認識を示し、「財政再建」の実行のための手段とスケジュールの明確化を要求しました。日本商工会議所の山口信夫会長(旭化成会長)は、消費税の引き上げを容認しつつ歳出削減の必要性を強調しました。
また、御手洗会長は今年のキーワードは「加速だ」として、「『改革』の手を緩めてはいけない。規制緩和の加速を」と求めました。とくに労働分野では、労働市場の多様化、流動化の推進などを求めました。北城代表幹事は、「イノベーション(技術革新)による成長実現を図るための具体策を」と指摘しました。