2007年1月7日(日)「しんぶん赤旗」
イラク増派に反対
米民主党議会指導部
大統領に書簡
【ワシントン=鎌塚由美】米野党・民主党の議会指導部であるペロシ下院議長とリード上院院内総務は五日、連名でブッシュ大統領に書簡を送り、イラク駐留米軍の増派に反対し、米軍の段階的撤退を四―六カ月以内に開始するよう求めました。
民主党からはすでに、バイデン上院外交委員長ら一部の議員から増派反対論が出ていましたが、上下両院トップがそろって反対を表明したのは初めてです。
書簡は、ブッシュ大統領が近く増派を発表すると伝えられていることについて、「増派は、あなたがすでに試み失敗した戦略だ」と指摘。「過去および現在の軍司令官たちと同様に、増派の繰り返しは深刻な過ちだと確信する」と表明しました。
また、「戦闘部隊の増派は米軍を疲弊させて崩壊を招くことになり、戦略的利益はない」とし、イラク問題では「純粋に軍事的な解決策はなく、政治的解決策があるだけだ」と述べました。
両議員は書簡で「米軍および米国民は、イラクの未来のためにすでに多くの犠牲を払ってきた」とし、「今や戦争を終結させる時だ」と述べました。
同日、ホワイトハウスでブッシュ大統領とイラク政策について協議した民主党のオバマ上院議員は、増派は「間違いだ」とブッシュ氏に伝えたことを明らかにしました。