2007年1月9日(火)「しんぶん赤旗」
国立大学費 値上げ誘導
文科省 上限額を引き上げ方針
文部科学省は国立大学の授業料と入学料について、「標準額」(授業料で五十三万五千八百円)を当面据え置くかわりに、二〇〇八年度から各大学が決定する学費の上限を、現行の標準額の一割増から二割増へ引き上げる方針を固めました。
政府は〇七年度予算案で国立大学の運営費交付金を百七十一億円削減しました。法人化後三年間の削減総額は三百七十一億円にのぼり、学生・院生一人当たり約五万九千円の削減になります。こうしたなかでの上限引き上げは、各大学の学費値上げを誘導するものです。
国立大学の授業料と入学料は、〇四年度の法人化以後、文科省が定める標準額の一割増を上限に各大学で決定しています。文科省は〇六年度中に省令を改正し、この上限を二割増に引き上げます。授業料の上限は現行の五十八万九千三百八十円から六十四万二千九百六十円に上がることになります。
政府は、一九七五年以降、国立大学の入学料と授業料をほぼ交互に引き上げてきました。財務省は、〇七年度予算案で授業料標準額の値上げを狙っていましたが、国立大学協会や全日本学生自治会総連合など大学関係者の強い反発にあい断念。各国立大学の中期目標期間中(〇九年度まで)は、標準額そのものは現行のまま据え置くことで、文科省と合意しました。
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