2007年1月10日(水)「しんぶん赤旗」
V字のまま海側移動
沖縄新基地建設 県が防衛省に提案
米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代わる新基地建設問題で、同県が防衛省(旧防衛庁)に対し、昨年五月に日米合意したキャンプ・シュワブ(名護市)沿岸部にV字形滑走路を建設する「V字形案」を微修正する提案を行っていたことが九日、分かりました。具体的には、住民の反対行動を排除できる「制限水域」の範囲内で滑走路を海側にずらします。
これは同県の仲里全輝副知事が八日、東京都内で同省の守屋武昌事務次官と会談した際、提示しました。仲里氏は「V字型、制限水域内であれば微修正の範囲内だ。日米合意を変更する必要もなく実現可能性が高い」と修正を検討するよう要請しました。制限水域は米軍が管理する水域で、一般の船舶は入れません。
また、仲里氏は、県側が同意できる案の見通しが付くまでは、新基地建設のための環境影響評価(アセスメント)などの手続きに着手しないよう要望しました。これに対し、守屋氏は明確な返答はしなかったといいます。
同県の仲井真弘多知事は「(政府の)V字形案のままでは賛成できない」としていました。