2007年1月11日(木)「しんぶん赤旗」
法人実効税率30%を 改憲を
経団連が政党評価項目
日本経団連は十日、会員企業が政治献金を行う際の目安となる二○○七年版の政党評価基準「優先政策事項」を発表しました。一日に策定した今後の経済社会を展望した長期ビジョン(略称・御手洗ビジョン)の考え方を反映させたため、例年より改定個所が増えました。法人実効税率(現在約40%)の「30%を目標に引き下げ」を初めて明記したほか、「憲法改正」などでも、従来以上に踏み込んだ記述が目立ちます。
「金も出すが、口も出す」として、政策を金で買おうとするもの。この新基準に基づき、経団連は今秋に自民・民主両党の政策評価を行い、会員企業に政治献金を促します。記者会見した宮原賢次副会長(住友商事会長)は、「各党とは政策対話を行い、会員企業には社会的責任の一環として(献金を)呼び掛けたい」と語りました。
優先政策事項は、税・財政「改革」や規制「改革」など経団連が重視する十項目で構成されます。ビジョンでは、一一年度までに2%程度の消費税引き上げを提言しましたが、ここでは、「法人税、所得税、消費税等の税体系全体の抜本改革を実現する」と表現。実際には優遇税制で低下している法人実効税率を「30%を目標」にさらに引き下げることを求めました。
雇用では、残業代をゼロにし長時間労働を野放しにするホワイトカラー・エグゼンプション制度を求め、道州制では検討組織の設置、推進計画、工程表策定など導入に向けた具体策に言及。「憲法改正」は実現に向け「国民投票法案の早期成立を図るとともに、各界各層における国民的議論を喚起する」としました。