2007年1月13日(土)「しんぶん赤旗」
“イラク戦争で米国が孤立”
共和党からも批判
ブッシュ演説で公聴会
【ワシントン=山崎伸治】米議会は十一日、ブッシュ米大統領のイラク新政策発表を受けて、ライス国務 長官を上下両院の各外交委員会、ゲーツ国防長官らを下院軍事委員会に招いて公聴会を開きました。
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米軍の増派についてゲーツ氏は「どれぐらい続くかわからない」と答弁。ライス氏はバグダッドの治安回復について「正確な予定表は示せない」と述べるなど、新政策を表明したものの明確な道筋を示すことができませんでした。
上院外交委員会では、民主党だけでなく共和党議員からも、ブッシュ政権に対する厳しい批判が浴びせられました。
これまでもイラク戦争に批判的な立場だった共和党のヘーゲル議員は、「(米国の)同盟諸国はほとんどが撤退している。気がついたらわれわれが孤立していたということになるのではないか」と指摘。「大統領の昨夜の演説は、ベトナム(戦争)以来最も危険な米国の外交政策上の失敗だ」と指摘し、傍聴していた反戦活動家らの拍手を受けました。同党のボイノビッチ議員は「米軍の増派がイラクの暴力と混乱の拡大を終わらせるかどうか疑わしい」と指摘し、「われわれはこれ以上、若者を内戦で死なせたくない」と述べました。マーコウスキー議員は英国が三千人の部隊を撤退させることをあげて、「われわれは孤立する」と強調しました。
民主党のネルソン議員は「私はこの戦争についてブッシュ政権を支持してきたが、その立場を支持し続けることはできない。私は真実を知らされてこなかった」と発言しました。
同党のファインゴールド議員は「初めからこの戦争は誤りだったし、実行されてきた政策は失敗だった」と述べ、イラク戦争の結果、「米国はより安全になったのか」と追及。ボクサー議員も米兵の犠牲者について取り上げ、「だれがこの犠牲を償うのか」と迫りました。ライス氏からは、いずれも明快な答弁はありませんでした。