2007年1月16日(火)「しんぶん赤旗」

非正規を直接雇用

再建中のKBS京都関連社


 京都の地方放送局・KBS京都(社員百六十人)の京都放送労働組合(KBS労組)が、同社の関連会社「KBS京都カルチャーセンター」で働く非正規労働者の直接雇用を実現させ、正社員化への一歩を勝ち取りました。労組は、これを力に、引き続き五人の非正規・関連労働者の直接雇用をめざして、今月中にも会社に迫ります。

 直接雇用される男性(43)は、同カルチャーセンターの指揮・監督のもとで、直営ホールでのイベント運営・指揮の仕事をしています。会社と個人事業主の業務委託契約といいながら、実態は労働者とかわらない「偽装請負(委託)」そのものです。

 四月末で業務委託契約が打ち切られるのを前に、労組と同カルチャーセンター支部が交渉を重ねていました。当初、抵抗していたセンター側も、「五月から直接雇用する方向で検討している」(昨年十二月十二日)と約束しました。労組は、一年後の正社員化を求めていきます。

 同労組は、KBS京都がバブル期に経営危機に陥ったとき、四十万人を超える支援の署名をバックに、社員による会社更生法の申請を行い、会社再建を支えてきました。

 十二日の「祝う集い」で、男性は「派遣のため、長く働けるとは思っていませんでした。直接雇用に向け、組合のみなさんが自分のことのようにがんばってくれた」とよろこびを語りました。

 集いでは、三月末で業務委託契約の切れる彦根放送局の音声ミキサーとディレクター、さらにカルチャーセンターからKBS京都に「出向」するラジオディレクター二人と業務委託契約で働く一人の計五人の直接雇用実現も誓い合いました。

 同労組の西口民介委員長は「本来なら再建途上の会社で、関連会社の非正規労働者を直接雇用するのは大変困難なたたかいです。五人の直接雇用も必ず実現させたい」と語っています。


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