「共産党の議員が“競争になったら必ずおかしなことが起こりますよ”と言っていた」(リポーター)。耐震強度偽装問題で十三日、テレビ朝日「スーパーモーニング」は、一九九八年の建築基準法改悪当時、建築確認事務の民間開放に反対した日本共産党の中島武敏元衆院議員の質問を取り上げて、規制緩和の問題点を明らかにしました。
同番組は「人の生命にかかわる検査業務がなぜ民間に開放されたのか。九八年の法改正当時、今回のような事態は想定されていたのだろうか」と問題提起し、中島氏が改悪に反対していたことを紹介。「営利を目的とするというところからいえば、当然競争が激しくなってくる。安かろう、悪かろうという検査になりはしないか」(九八年、衆院建設委員会)という中島氏の国会質問を紹介しました。
中島氏は同番組のインタビューに答え、「競争すれば、安くとか速くということが第一義になり、人間の命、財産をしっかり守るという気持ちにならない」と、建築確認の民間丸投げの問題点をあらためて指摘。当時、質問で追及したことが現実化したことについて「たくさんの人たちが、大変な被害を受けた。不幸な的中だった。『残念』という思いにかられた」とのべました。
番組ではコメンテーターからも安易な民間開放への批判が。「検査業務を民間に開放した結果、手抜き検査という問題が起きた」(紀藤正樹弁護士)、「民間開放は自由競争をするということ。しっかり安全を確保しなければ今後、規制緩和でこういう問題はあちこちで起こる」(ジャーナリストの鳥越俊太郎氏)などの発言が相次ぎました。
リポーターは「法改正のときに、その議論というのは実際にあった。共産党の議員が競争になったら必ずおかしなことが起こりますよと言っていた」と、あらためて中島氏の指摘にふれました。