総会で選出の女性の理事/夫婦で理事会出席するが
管理組合の総会で理事に選ばれたある女性が、理事会に夫婦一緒に出てきたり、時には夫の方が出席することもあります。理事会に出席できるのは、選出された女性の方だけではないでしょうか。(東京都・M子)
山下 夫婦で出席する人の言い分は。
──「持ち分2分の1ずつで区分所有権を共有しているのだから出席する者が一緒でも、片方でも同じではないか」と言います。
山下 それは変ですね。区分所有法では1戸に複数の共有者がいる時は、総会の際、議決権を行使する一人を決めなければならないと定めています。総会でも夫婦では出られません。まして、理事会は、区分所有者が出席する管理組合の総会とは違います。総会で理事に選ばれていない人は出席できません。
マンションの管理組合の役員の職務については、区分所有法や中高層共同住宅標準管理規約で決めています。 中高層共同住宅標準管理規約においては、総会で選出された理事長は「管理組合を代表し、その業務を統括」し、理事は「理事会を構成し、理事会の定める所に従い、理事会の業務を担当する」とされています。
あなたのマンションの管理規約には、理事の代理を認める条項がありますか。
──ありません。
山下 通常、理事会は理事の代理を認めていません。夫と二人とか、夫の出席がオブザーバーとして認められているのなら別ですが。
──それも規約にないのです。
山下 すると、勝手に理事会に来ているのですから退席してもらう以外にありません。その女性が不在の時、夫が代理で出席するのも認められません。
──それだけ理事の責任は重いのですね。
山下 そうです。
理事は総会において区分所有者から選ばれた方です。その理事が理事会に欠席して代理を頼むのは、みなさんから選ばれた趣旨からすると矛盾します。
特に区分所有者の間で対立する議題を検討する場合は、本人が出て決めるのが当然です。
もし代理出席で決めた場合は、後で理事会のとった手続きについて問題になることが起こり得ます。その時は理事会や総会で決められたことでも、結論がひっくり返ってしまうことがあるのです。
──勤務の関係で出席できない理事がいて頭を悩ませています。
山下 理事会が、恒例のことや事後承認でもいいことなど日常的な問題に関して議題にする際は、代理出席があっても目くじらを立てる必要はないでしょうが、やはり原則的には代理を認めるような規約改定を検討すべきでしょう。
(2004年06月16日 しんぶん赤旗より)
|