モデルルーム見て購入へ/どんな点に注意が必要か
新築マンションの購入を考えています。新聞折り込みでモデルルームの紹介があったので見に行こうと思っています。どんな点に注意すればよいでしょうか。(愛知県・S生)
新井 まず購入の動機や理由をよく考えてみることです。あなたの場合は。
──近く結婚するので新居にするのです。
新井 モデルルームで分かることは、限られています。
まず、間取りタイプが同じものかどうかです。通常、一番大きくて見栄えがする住戸が多いので注意が必要です。
同じタイプであれば、部屋の広さやつながり、空間の広がりが分かり、住戸専有部を知る上で役立ちますが、間取りが違えば、仕上げ材を見ることぐらいしかなくなります。
そのためパンフレットをよく読み、共通する所とそうでない所を見分けます。できれば事前にパンフレットを入手し、どこを見るかを考えておくとよいですね。
──マンションには専有部と共用部分があるそうですね。
新井 その共用部分には経費負担の問題があります。
まず入居してからの管理費と修繕積立金で、その額がいくらになっているかを押さえておくことです。
その際、実態を抑えた修繕積立金を算出し、販売しやすくしていることもあるので気をつけましょう。総戸数が少ないもの、複雑な形状の建物、行き過ぎた機械化のものなどは負担が増えます。
次にマンションには維持管理のルールとして、管理規約があります。分譲会社が示した管理規約と、国土交通省が作った標準管理規約を比較し検討してみます。
そして管理人室、集会室などの管理用諸室はあるか、駐車場の有無とその台数も調べます。
──よく雨漏りや音の問題を聞きますが。
新井 音の問題は、居住者間のトラブルになりやすいものです。
音には上下階、隣戸間の生活音や、エレベーター、ポンプ等の機械騒音問題が多いのです。周辺からの音(暗騒音)が少なくなる夜間にトラブルが集中しています。
やっかいなのは固体を通して伝わる音です。コンクリートの厚さだけでなく、フローリングなどの止め付けに緩衝材がどのように入れてあるかも重要です。図面などで詳細に調べておきましょう。
またマンションに不具合が出てきた時の保証期間の確認も大切です。
構造の安全性と雨漏りについては、二〇〇〇年四月に施行された住宅の品質確保の促進に関する法律で、十年の保証が義務づけられました。問題は内外の塗装をはじめさまざまな工事ごとに、保証期間が決められていますので見落とさないことが必要です。
──私は駅に近くて学校や保育園、商店や病院がある所を選びたいのですが。
新井 それは誰も思うことです。ただ、あなた自身が現地に足を運んで周辺環境を確かめてください。その際、騒音や振動、臭気、高圧線の有無などを忘れずに見ておきましょう。
契約は、図面を基に納得のいくまで売り主側に説明を求めたり、専門家の協力を得て決めることをお勧めします。
(「しんぶん赤旗」2004年03月17日)
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