管理費の支払いを求めて/新理事長に代わり裁判は回答者 弁護士・萩尾 健太さん 築8年で95戸のマンションに住み、先日まで管理組合の理事長をしていました。現在、区分所有者の中で管理費の長期滞納者が数人いるので、支払いを求めて裁判を起こしたいと考えています。 萩尾 建物区分所有法6条1項が規定するのは、「建物の管理または使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為」です。 ──そうすると、管理費の滞納は、「共同の利益に反する行為」に入らないのでしょうか。 萩尾 「著しい管理費の滞納」が入るという判例もありますが、入らないという判例もあります。 ──それはどんな規定ですか。 萩尾 26条4項に管理者が原告として提訴できると定めた規定があります。 ──すると、原告は管理者名になりますね。 萩尾 そうです。ただ、管理者はマンションの業務執行機関であって、管理者個人が提訴するのではありません。 ──集会の決議で訴訟を提案するため、議案書に被告名や滞納金額を書くことが許されますか。 萩尾 被告本人のプライバシーや名誉との関係がありますが、長期滞納が事実である以上、法的には問題ありません。 ──議決はどのように決しますか。 萩尾 議決は39条1項にあるように、「別段の定めのない限り区分所有者及び議決権の各過半数」でよいです。 (「しんぶん赤旗」2004年04月21日) |