自治会を立ち上げました/賃借人の業者どうすれば

回答者 弁護士・高畑拓さん


 新築の数百戸の団地型マンションです。管理組合に続いて自治会を立ち上げました。居住している人を一般会員にし、団地内にある数店の店舗の業者は賛助会員にしました。店舗の区分所有者は不動産屋で、業者は借りているだけだからです。
 でも一人の賛助会員から一般会員にしてほしいと申し込まれました。(D子)

◇    ◇

 高畑 管理組合の共用部分の使用についての決定は占有者(賃借人など)にも適用されるのですが、なぜ自治会をやろうと?

 ──団地が広いので管理組合の理事会だけではカバーできない面もあるだろうと話し合って、総会を開き規約もつくって自治会をつくったのです。親睦を深めるなど共同生活をよりよくするのが目的です。

 高畑 管理組合と自治会では性格が違います。
 団地型マンションのように、一団地内に数棟の建物がある場合には、棟ごとの管理組合と合わせて団地全体の管理組合などをつくります(区分所有法第65条)。いずれにしても管理組合は共用部分の管理が目的ですから、そこで共用部分の使用にかかわる決定をすれば、それは賃借人や店舗を賃借している業者をも拘束します。ですから、ルールとしてはそれで対応することができます。
 これに対して、自治会は任意団体であり、どういう活動をするかは自由であり、そもそも加入するかどうかも自由な組織です。

 ──業者の人たちはそこには住んでいません。それでも一般会員になれるのですか。

 高畑 自治体から補助をうけたりする場合には自治会員の構成範囲について制約がある場合もありますが、そもそも任意の団体ですから、その会員の範囲についても自由に決められるはずです。
 一般会員と賛助会員にはどんな違いがあるのですか。

 ──一般会員には議決権がありますが賛助会員にはありません。居住していないことに加え、利益を目的に営業していることも考えて外したのですが。

 高畑 あなた方の場合、もっと親睦を深めたいと思って自治会をつくったのですから、営業を理由に区別するというのも、その目的に合わないのではないでしょうか。
 せっかくの自治会なのですから、管理組合に入れない業者の人たちとも一緒にやった方がいいと思います。

 ──そうすると、規約も変えないといけませんか。

 高畑 そうです。自治会はどんな規約にするかも自由です。規約を改正して業者も一般会員にすればよいのです。当面は定期的に業者と話し合いを持ち、次の自治会の総会で規約を変えてもいいと思います。

( 2005年03月16日)



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