私は七階建てマンションの四階に住んでいます。これまでマンションの南には三階建ての工場があったのですが、その跡地に七階建てのマンションを建築するというのです。その説明会が一カ月前にありました。
私は日当たりへの影響などが心配ですが、どう対応したらよいでしょうか。(京都府・W生)
三浦 あなたのマンションとどのくらい離れているのですか。
――七メートル先です。
三浦 マンション居住者を対象にする説明会では日影の影響の話もされたのですか。
――はい、こんどの土曜日には日影シミュレーション図が出てくるそうです。
三浦 受忍しがたい日照侵害は問題です。そうさせないためには、どんな影響を受けるかを素人のあなたが分かるまでよく聞くことです。
日影図は日の短い冬至(十二月二十二日ごろ)の影を示しますが、冬の日差しは貴重です。
四階のあなたの居間にはどれだけの時間日が差すのか、ベランダに干した布団に日が当たるのは何時から何時までか、大事なのは生活上の具体的なことを確認することです。
――見晴らしもよかったので購入したのですが、こうした点はどうしたら。
三浦 視界の一部がふさがれるために、圧迫感も考えられます。そうしたことも改善してほしいと、先方(売り主だけでなく建築設計者にも)に伝えることです。
――でも、私たちが何を言っても役所は計画は合法的だと言って建築確認を下ろすのでしょうか。
三浦 あなたが住んでいる七階建てマンションと同じ地区に建築の予定ですから、役所は建築確認を下ろすと思います。
被害を受ける住民のみなさんは、マンションの建築確認が下りる前には、区市町村に置かれている紛争調整担当の係の人に入ってもらって粘り強く話し合うことです。
もし建築確認が下りた場合でも、住民のみなさんと一緒に運動をし、被害を少しでも少なくするために建築計画段階での要求を出し、交渉することが大事です。
そのように住民が運動して、計画を変更させた例もあります。
東京・台東区ではマンション業者が近隣住民との折衝で、計画を大幅に変更し、開発業者も「地域との共生成功事例」と胸を張ったもので、業界でも有名な話です
いま供給過多でマンションの販売が思うに任せないという時節柄、近隣住民からの計画変更案をマンション業者が検討する例は、ほかにも出ています。
実質的・具体的な改善要求を出し、積極的に交渉するなど運動することが大切です。
(2002年01月16日)
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