梅雨時の雨漏りが心配で どんなことに注意すれば

回答者 マンション管理士 千代崎一夫さん(ハウジングケースワーカー・住まいとまちづくりコープ)


 

 二月から新築マンションの三階に入居して初めての梅雨シーズンを迎えました。昨年、友人のマンションで雨漏りがありました。私も不安なのですが、どんなことに気をつける必要があるでしょうか。(埼玉県・C子)


 千代崎 マンションには共用部分と専用部分がありますが、まずは共用部分を考えます。
 共用部分での大きな事故の原因は、建物自体の防水部分の亀裂などが考えられます。このような場合は、入居後数カ月ならば売り主の責任もはっきりしていますので、事故が起こっても解決はしやすいと思います。
 共用部分の漏水事故で問題が解決しにくいのは、ベランダやルーフバルコニーなどの共用部分でありながら、専用で使用している場所です。雨水の排水口の周りが植木などの土やほこり、落ち葉で詰まっている状態になっているのに掃除をしなければ、水がたまり始め、思ってもみなかったところから、その水が漏れます。梅雨時や台風シーズンの前に、マンション全体に注意を促し掃除をする必要があります。
 ――私のところはルーフバルコニーになっていて、柵を乗り越えないと排水口の周りの掃除はできない構造になっているのです。

 千代崎 確かにそういう構造のマンションもあります。その時は、売り主に改良するように要求し、それでも正さないときは管理組合の費用で安全に掃除ができるよう柵を改良することが必要です。
 管理組合としては、マンション住民全体に掃除をすることを喚起すると同時に、掃除ができない構造の場合は申し出てほしいとお知らせをすることです。
 最近はセットバックといって上階になるほど建物が小さくなる構造が増えています。その場合は上階の排水までルーフバルコニーに集めて下に流していく方法を取っているマンションもありますが、費用の倹約とはいえ間違っています。
 上階から流れてくる水の量は、上階の雨掛かりの部分の広さで決まりますが、それぞれの場所で水の量を減らして水漏れ事故の危険を少なくするよう考える必要があります。
 このような雨どいの配管系統は、売り主に改良を求め、交渉がうまくいかない場合でも管理組合の費用負担でも直しておいた方がよいと思います。

 ――専有部分で注意することは。
 千代崎 それは外部からの雨漏り事故の場合は、被害を少なくすることと同時に被害を記録することも大切です。
 結露が発生する場合もあり、カビの発生の原因になる可能性も高くなっていきます。
 日本では一年中雨が降りますので、梅雨時だけの話ではありません。雪が積もっても同じような現象が起こりますので、みんなで注意し合いましょう。


(2002年06月19日 10面)



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