駐輪場になった マンション変圧器室/東京・港区の「グリーン白金」/「東京電力から取り戻した」喜ぶ居住者

2001.05.17


 

 マンションの管理組合が電力会社と交渉し、居住者が立ち入りできなかった変圧器室を取り戻した――こんな経験が、このほど東京の日本共産党港地区委員会が開いたマンションシンポジウムで報告され、話題を呼んでいます。

空きスペース利用できる!
このマンションは東京・港区にある「グリーン白金」(五階建て・十九戸)。シンポジウムで発言した管理組合の木村弘行理事長(69)は「空いているスペースを利用して、貸しロッカーを設置、駐輪場としても使えて喜ばれています」と話しています。

  変圧器室は一階にあり、広さは二一・七平方メートル。もともとは、このマンションを開発した会社が、東京電力と「無償貸与」を内容とする「変圧器室契約書」を開発時に結んでいました。ドアには「立ち入り禁止」の張り紙があり、かぎも東電が管理していました。一九七八年の建築以来、居住者にはまったくかかわりのない部屋でした。

 居住者は、東電に断らないと変圧器室には立ち入れず、この部屋の固定資産税は、共用部分として居住者全員で負担していました。

 部屋には、隅の方に変圧器が三本設置されているだけで、大半が空間として未利用でした。何度も交渉、話し合い重ね 二年前に、木村さんは「間仕切りで区切れば空きスペースを使えそうだ」と考えて、部屋の一部を住民に返してもらいたいと東電に要請しました。

 その結果、東電側が「設置している変圧器三基を撤去し、多少の電力増量により料金の負担が増えるが、小型変圧器(パッドマウント、横一一〇センチ・奥行き四五センチ・高さ一メートル)を壁際に設置することで、部屋のほとんどが使えるようになる」と逆に提案。費用については、古い変圧器の撤去と小型変圧器の提供は東電側で持ち、小型変圧器を設置するための架台製作費と、接続工事費を管理組合側が負担することで、両者が合意しました。

 これで工事が進むものと思っていたところ設計図が届いた翌日、「東電の内規に触れるからこの工事はできない」と東電から一方的に通知してきました。また管理組合が注文してつくった架台を管理組合に断りもなく持ち去っていきました。

 管理組合は、当初の計画通り実行することを東電に求めて交渉しましたが、らちがあきません。木村さんは、「場合によっては、裁判もやむを得ない」との覚悟も決めていました。

 この交渉には、日本共産党港地区委員会の秋元英常マンション相談室長が立ち会っていました。中島武敏前衆議院議員事務所の協力も得て、木村さんらは東電側と何度も交渉、話し合いを重ねました。その結果、九九年九月、「当初の通り工事をする」との回答を得、「変圧器室」が駐輪場に生まれ変わりました。

固定資産税も利用者負担?
マンションは、各戸に電気を供給するための変圧器などを設置する部屋を、「借室」としてマンション敷地内に設けています。これは東電に限ったことではなく、全国の電力会社に共通しています。

 木村さんはいいます。
 「電気を売るための設備なのに、固定資産税まで利用者負担というのは変だ。いまは居住者の駐輪場として利用料をもらい管理組合の収入にもなり大変よかった。うちのようなマンションがまだあると聞いています。東電と交渉し、変圧器を変えてもらい、空き室を住民のために使えるようにするといいと思います」

秋元さんも「マンション住民である区分所有者は、自分のマンションの共用部分がどうなっているか知る権利があります。この際、電力会社と交渉してみてはいかがでしょうか」と話します。

 

 

電力会社負担が当然/公営住宅、分譲マンション 変電室補修費/党神奈川県委に通産省

1999.10.22 


 

 通産省は十九日、団地・マンションの変電室の改修費用の住民負担を是正する問題で「公営住宅、分譲マンションの変電室の補修も電力会社の負担にするのは当然」との見解を示しました。日本共産党神奈川県委員会がおこなった来年度の政府予算要求交渉のさいに回答したもの。


 交渉には党神奈川県委員会から大森猛衆院議員、畑野君枝参院議員、小選挙区候補、地方議員が参加。東京電力が住宅・都市整備公団と結んだ変電室補修費用を電力会社負担とする協定を、公営住宅や分譲マンションにも広げるよう要求しました。


 また、変圧器が小型化できる団地・マンションについては、管理組合の要望があれば電力会社の費用負担で小型化するよう指導を求めました。


 同省は「電力会社がこの問題(変電室補修費用)や変電室小型化問題で真摯(しんし)に管理組合と協議するよう指導する」と回答しました。


 団地・マンションの変電室の改修費用の住民負担を是正する問題は、大森衆院議員が九七年三月の衆院予算委員会でとりあげました。これが突破口になり、ことし五月、同公団と東京電力の協議で従前の協定が改められ、変電室配線設備、照明器具、露出配線の補修と取り換え、塗装を含むドアの補修、内壁の補修は東京電力の負担とする内容が盛り込まれました。

 



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