日本共産党

2001年5月3日(木)「しんぶん赤旗」

 地球温暖化防止での「京都議定書」とは?


 〈問い〉 地球温暖化防止の課題で、アメリカの「京都議定書」からの離脱が問題になっています。「京都議定書」とはどういうものなのですか。(新潟・一読者)
 〈答え〉 地球をとりまく大気中に二酸化炭素等の温暖化ガス(熱を宇宙空間に逃さない働きをする温室効果ガス)が増えると、地球が温暖化し、人類の生存を脅かすことが明らかにされてから、その防止のために国際会議が開かれてきました。京都議定書は、一九九七年十二月に京都で開かれた地球温暖化防止国際会議(気候変動枠組条約締約国第三回会議)で採択された、温室効果ガスの削減目標についての国際的とりきめです。

 九二年の地球サミット(環境と開発に関する国連会議)で、気候変動枠組条約が採択されたのを受けて、第一回締約国会議(九五年)が開かれて以来、温室効果ガス削減の具体策をとりきめることが焦点となり、「京都議定書」が結ばれました。

 議定書は、国連の研究チーム・IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の出した科学的な結論―大気中の二酸化炭素濃度を安定させるには、排出量を九〇年比で五〇〜七〇%削減する必要がある―から見れば不十分ですが、世界の二酸化炭素排出量の六割を占める先進工業国の具体的な削減目標(二〇〇八〜二〇一二年の間にアメリカ七%、日本六%、EU八%など)を決めました。同時に議定書には、アメリカの強い要求で、目標を超えて排出する国が他国から排出権を買い取れるといった、二酸化炭素削減の努力を後退させる「抜け道」も盛り込まれています。議定書の発効には先進工業国を中心に五十五カ国の批准が必要とされており、まだ発効するに至っていません(日本も未批准)。

 京都議定書からの離脱を表明したブッシュ米政権にたいしては、国際的に批判が広がっています。日本の衆参両院も米政権の態度を批判し、日本政府に議定書の早期批准を求める決議を全会一致で採択しました。(豊)

 〔2001・5・3(木)〕


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