〈問い〉 吉野川可動堰(かどうぜき)の住民投票もあって、住民投票制が話題になっています。住民投票制は、民主主義にとって大事な役割をもつと思いますが、共産党はどう考えますか?(東京・一読者)
〈答え〉 近年、基地、廃棄物処理場、原発や空港建設をはじめとする開発問題などで、その是非を問う住民投票を求める運動が各地で広がっています。日本共産党は、この運動の流れと広がりは、地方自治の新しい発展として注目すべきことであり、住民の切実な意思と要求を直接、地方政治に反映させる上で意義深いものと考えています。
この間、投票者の六割が建設反対の意思を表示した新潟県巻町の原発建設での住民投票(九六年八月)、投票者の圧倒的多数が”産廃ノー”の意思を示した岐阜県御嵩(みたけ)町(九七年六月)など産業廃棄物処理場建設にかかわる住民投票、過半数が米海兵隊の海上基地ノーの意思を示した沖縄・名護市の市民投票(九七年十二月)など全国的にも注目される住民投票がおこなわれてきました。今回の徳島市の吉野川可動堰をめぐる住民投票は、国の大型河川事業の賛否を問う初めての住民投票であり、そこで投票者の九割が建設反対の意思を明確にしたことは、全国的に展開されるゼネコン型の大型開発への警鐘・警告の意味をもつものです。
住民投票の実施は、住民投票条例制定要求の運動から始まるケースが圧倒的ですが、議会が住民投票条例そのものを否決する場合が多く、また投票が実施されても投票結果に法的拘束力がないことなどから、住民投票制度の法制化を求める声も広がっています。
日本共産党は、昨年六月、国会で地方分権一括法案が審議された時、「住民投票制度を法定化するとともに、憲法の規定にそって自治体の条例制定権を幅広く尊重する」ことを明記する修正提案をおこないました。日本共産党国会議員団に「住民投票プロジェクトチーム」(責任者・岩佐恵美参院議員)をつくり、市民団体などの意見も検討しながら、法制化に向け、具体案をつくることにしています。(豊)
〔2000・3・5(日)〕
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