2000年5月15日(月)「しんぶん赤旗}

 介護保険で自治体の低所得者への対策は?


 〈問い〉 介護保険実施で、住民税非課税世帯にたいし、自治体はどのような対応をしているのでしょうか。低所得者の人たちにたいする日本共産党の対策も教えてください。(東京・一読者) 

 〈答え〉 住民税非課税世帯などの低所得者に保険料や利用料の重い負担がかぶさる問題が未解決のまま、介護保険制度が実施されたため、自治体では、独自に低所得者のために保険料や利用料の減免措置を講ずるところが現れています。

 厚生省の調査(四月一日時点、三千二百五十二市町村)では、保険料の独自の減免措置は百四十一自治体、利用料の独自の減免措置は二百四十七自治体で実施が決まっています。減免の仕方は、保険料では、第一号被保険者(六十五歳以上の高齢者)について生活保護世帯、住民税非課税世帯などを基準に減免する、保険料の徴収区分を国の区分(五段階)よりふやし、低所得者を減免するなど。定率一〇%の利用料では、生活保護世帯の対象者を無料にする、訪問介護に限って政府が実施している利用料の三%への軽減を他の在宅サービスにも広げる、などです。

 日本共産党の党員首長の東京・狛江市では、第一号被保険者中、いちばん所得の低い人たち(第一段階)の保険料と利用料を全額市で助成することにしています。

 いま、介護保険実施で、利用料負担が重いために、それまで受けていた介護サービスを後退させざるをえないという深刻な問題が広がっています。日本共産党は、介護保険について、サービスがうけられなくなったり、後退したりといったことがないよう、国民的な大事業にふさわしく、国庫負担の引き上げをふくめ国が責任を果たすことを主張しています。そして、低所得者への対策として、利用料では、住民税非課税のお年寄りまで在宅介護の無料制度をつくること、当面の最小限の措置として、三%への軽減措置を、新規にサービスを受ける人を含め訪問看護、デイケア、訪問入浴などすべての在宅サービスに拡大することを提案しています。また高齢者の保険料では、住民税非課税世帯・本人にたいする免除制度をつくること、十月からの保険料徴収を再検討することを提案しています。(豊)

〔2000・5・15(月)〕



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