バリアフリー法案改善への努力とは?


 〈問い〉 バリアフリー法案の成立にあたって、日本共産党は法案をよりよいものにする努力をしたと聞きます。どんな提案なのですか。(福岡・一読者)

 

 〈答え〉 高齢者や障害者などが交通機関を利用しやすいように、障壁(バリア)を取り除く交通バリアフリー法が、今国会で全会一致で成立しました。国は整備計画の目標をたて、事業者は駅、ターミナル等を新設したり、大改良したりする際、バリアフリー化をはかる義務を負います。障害者、高齢者団体などの粘り強い運動の成果です。日本共産党も、六年前に法制定を提案していました。

 バリアフリー法は、障害者や高齢者の声を法律化した点で前進ですが、同時に、障害者や高齢者の社会参加にとって「移動の自由と安全の確保」が基本的権利だという理念が欠けるなど改善すべき問題点も少なくありませんでした。

 日本共産党は、そこで以下のような改善をもりこんだ修正案を提案しました。(1)目的、理念に「移動の自由と安全確保は基本的権利」であることを明記する。法の対象範囲が「高齢者、身体障害者等」となっているのを改め、知的障害者も含めたすべての障害者を対象にする、(2)法案が、新設等に限ってバリアフリー化を義務づけ、既存施設については努力義務にとどめているのを改め、国の基本方針で、すべての施設、設備等をバリアフリー化計画の対象とするよう義務づける、(3)地方公共団体も、バリアフリー化計画を策定するようにする、(4)公共交通事業者の責務を明確にし、必要と認められる時は国、自治体も補助できるようにする、(5)バリアフリー化推進に利用者の意見を反映させるための制度を国や自治体で確立する、(6)バリアフリー化されても移動困難な人のための代替輸送の確保を図る。

 日本共産党の修正案は、他党の賛成を得られませんでしたが、障害者、高齢者の社会参加を保障し、障害者、高齢者にやさしい街づくりをすすめる上で引き続き重要な課題だと考えます。(酒)

〔2000・6・3(土)〕



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