2000年6月11日「しんぶん赤旗」
〈問い〉 日本共産党は、文化の振興のために「文化振興基本法」の制定を提唱していますが、どういう趣旨なのですか。(東京・一読者)
〈答え〉 日本の文化行政は世界の水準から大幅に遅れていますが、文化にかんする基本法のないことが、この状況克服の障害になってきました。文化行政の充実を要求しても、国は、“そんな義務はない”というわけです。
基本法は、国会が法律の名で、政府に国政にかんする一定の施策・方策の基準・大綱を明示し、これに沿う措置をとることを命ずるという性格のものです。日本には、教育基本法、農業基本法など十五の基本法があります。なかには問題を含む法律もありますが、それぞれが各分野の施策を進める場合の根拠法となっています。
文化振興基本法をという関係者の声も、そこから生まれました。日本共産党は、一九九五年の「文化提言」で「ひろく関係者とともに法制確立にむけての検討をすすめます」と、基本法の制定を呼びかけました。超党派の国会議員でつくられる音楽議員連盟も、九五年以来、「芸術・芸能実演家の地位および芸術文化振興に関する基本法」の確立を提唱しています。
それをふまえて、日本共産党文化局が、最近「しんぶん赤旗」号外で発表した「世界から遅れた文化行政を、文化を大事にする政治へ切りかえよう」では、「文化振興基本法」(仮称)について、党の考えを明らかにしました。関係者の意見を十分に反映して練り上げようと訴えていますが、これだけは必要だとして、いくつかの基本点も提起しました。
まず、文化が国民の基本的権利であり、そのための条件整備を国や自治体の責任として明確にすることです。また、国などが文化の内容に干渉することを厳しく排することも大切な点です。そのうえで、条件整備を具体的に実施するために財政的裏付けを持った基本計画をつくることを国に義務づける必要もあると考えています。
文化振興基本法は、日本国憲法の理想が花開く社会をつくる上で、重要な柱の一つになるでしょう。(常)
〔2000・6・11(日)〕
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