自給率向上への先進諸国の努力とは?

2000年7月9日 (日)「しんぶん赤旗」


 〈問い〉 日本を除いてサミット参加国など先進資本主義諸国は、みな食料自給率向上に努力していると聞きますが、詳しく教えてください。(熊本・一読者)

 

 〈答え〉 自民党政治は、アメリカや大企業の要求する輸入自由化を受け入れるなど、農業を切り捨てる政策を続け、七〇年に六〇%だった食料自給率を、いまや四〇%(カロリーベース)をきるところまで落ち込ませました。これは、先進資本主義諸国がこの間、自給率を向上させる努力を続けてきたことと対照的です。

 EU(ヨーロッパ連合)諸国は、「農業は国の大もと」という立場から、農産物の価格保障、農家の所得保障に力を入れ、一九七〇年から九七年の間で、イギリスが四六%から七七%、ドイツが六八%から九七%へ、自給率を向上させています。

 山間地域の多い日本とよく似た自然条件のスイス(EUは未加盟)では、憲法でパン用小麦の自給率を明記。連邦政府が輸入管理・価格支持などに力を入れ、七〇年に四七%だった自給率を九〇年代に六〇%まで向上させました。

 日本共産党は、世界的な食料不足が予測される二十一世紀を前に、日本も自給率向上に真剣にとりくむ必要があると主張。農業を基幹産業と位置づけ、自給率を早急に五〇%台へと回復させ、引き続き六〇%をめざすべきこと、そのためにも、野放しの自由化や減反政策押しつけをやめ、農業予算を農産物の価格保障、農家の所得保障に優先的にあてるべきことなどを提案しています。(豊)

〔2000・7・9(日)〕

 

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