日本の学費が世界一高いとは?

2000年7月13日 (木)「しんぶん赤旗」


 

 〈問い〉 日本の学費は世界一高いと聞きました。どんな状況なのですか。日本共産党の対策も含めて教えてください。

(東京・一学生)

 

 〈答え〉 学費が払えず大学を去る学生が後を絶たないなど、わが国の高学費は深刻な問題です。

 表のように、欧米では学費を徴収しない国もあり、徴収する国でも日本ほど高額ではありません。最近、学費徴収を始めたイギリスも、日本と比べ数分の一の水準です。

 アメリカでは、以前から学費を徴収していますが、七割以上の学生が通う州立大学の学費は、日本の国立大と比べても低く抑えられています。アメリカでは、ハーバード大など一部の私大の学費は日本の私大に比べても高めですが、通っている学生は少数です。日本では八割近い学生が学費の高い私学に通っており、全体を見れば、日本の学費が世界一の水準であることは間違いありません。

 さらに、日本の奨学金制度の貧弱さも際立ちます。欧米では返済しなくていい給与制が奨学金制度の大きな柱としてあり、学生生活を支えています。日本は返済が前提の貸与制の奨学金しかありません。高学費の上に奨学金制度の貧弱さが加わって、日本の学費事情をいっそう深刻にしています。

 この学費事情の劣悪さは、わが国の高等教育への国の財政負担の水準が欧米の半分にも満たないことに起因しています。日本共産党は、ゼネコン型公共事業に偏重した予算の使い方を国民の暮らし中心に転換し、高等教育予算を増額するなかで、国公私立を問わず高学費を解消していくことを提案しています。(藤)

〔2000・7・13(木)〕


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