児童虐待防止法とは?

2000年 8月 6日 (日)「しんぶん赤旗」


 〈問い〉 最近、児童虐待を防止する法律ができたそうですが、どんな法律で、日本共産党はどういう態度をとったのですか。

(滋賀・一読者)

 

 〈答え〉 親などによる子どもへの虐待の相談や通報が急増。九九年度の児童相談所の受けた相談、通告件数は、前年より六割増え、一万二千件余にのぼります(全国児童相談所調べ)。児童虐待防止法は、子どもへの虐待防止と早期保護を目的に、超党派の議員立法として提案され、五月、全会一致で成立しました。

 法律は、児童(十八歳未満)虐待を(1)児童の身体に外傷が生じ、または生じるおそれのある暴行を加える(2)わいせつな行為をする、させる(3)心身の正常な発達を妨げるような著しい減食や長時間の放置など保護者としての監護を著しく怠る(4)著しい心理的外傷を与える言動をおこなう、ことと定義。虐待の禁止を打ち出しています。

 虐待を受けている子どもを早く救うために、顔にあざをつくっている子などを見つけやすい立場にある教師など専門家や職員に早期発見・通報の努力義務を明記。家の中での虐待が疑われる場合、相談所職員の立ち入り調査ができるようにしました。また、児童相談所に一時保護された子どもを保護者が強引に引き取るケースが後を絶たないことから、面会や通信を制限できる措置を規定。虐待した親へのカウンセリングの規定ももりこまれました。また、国と都道府県知事にたいして、「関係機関及び民間団体との連係強化」「必要な体制整備に努める」ことを明記しています。

 日本共産党は、児童憲章、子どもの権利条約の完全実施を綱領に掲げる党として、子どもの命と人権を真に守る立場に立ち、法案の作成過程から積極的に意見をのべるとともに、児童相談所への人員確保、予算の増額など行政施策の充実にも努めるよう提案してきました。とくに法案作成過程で重視してきたのは、子どもの権利条約の観点を盛りこむことでした。そうした努力のなかで、同法一条の「目的」に、「児童虐待が児童の心身の成長及び人格の形成に重大な影響を与える」ものだという文言が明記されました。

(加)

 〔2000・8・6(日)〕

 

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