2000年 8月24日 (木)「しんぶん赤旗」
(東京・K生)
〈答え〉 日本にいる米軍は、日米間で取り決めた安保条約にもとづく日米地位協定や日本でつくった各種の特別法令によって、広範囲の特権が与えられています。
基地の自由使用もその一つです。米軍は、基地を自由に使用でき、基地内の管理・運営などに必要なすべての措置をとれることになっています(地位協定三条)。米軍は、日本政府が特権擁護の態度をとっていることもあって、日本の国民の生活や権利などを度外視して使用してきました。工事による山林や河川の破壊、大気汚染、有害物質流出、低空飛行訓練や夜間離着陸訓練による大騒音などなど。これらは環境基準、騒音基準その他の国内法令さえ無視するもので、その傍若無人の使用は、世界の中でも日本の米軍基地がきわだっています。
また基地外の活動についても、米軍には、地位協定とともに特別措置法、特例法等の各種の法令で特権があたえられています。空港・港湾使用料の免除をはじめ、その範囲は、鉄道・電話・電力・港湾・空港・道路・物品調達など多岐にわたります。
さらに裁判権にかかわる特権があります。米兵が日本国内で犯罪を犯した場合、事件が「公務中」のものなら第一次裁判権は米側にあります(地位協定一七条)。この「公務中」の事件・事故は、これまで四万五千件を超えますが、軍事裁判にかけられた米兵は一人もいません。公務外の犯罪については、第一次裁判権は日本にあります。しかし、日本が裁判権を放棄するケースが多く、日本が裁く例はほとんどありません。
米軍の特権は、大使館員などのもつ治外法権に等しいような広範な特権であるところから、治外法権的特権と呼ばれています。
米軍のこのような特権とそのもとでの傍若無人な活動は、アメリカに従属させられている「基地国家」日本の屈辱的な姿を象徴的に示しています。「基地国家」からの脱却は、真に独立した平和な日本をつくる上で避けることのできない課題です。
(龍)
〔2000・8・24(木)〕
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