2000年 9月3日 (日)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 都心のホテル前で銃撃戦をおこなうなど暴力団の活動が住民生活を脅かしています。暴力団対策にたいする日本共産党の考えや政策を教えてください。(福岡・竹中一男)
〈答え〉 暴力団の活動を封じ込め、組織を壊滅に追い込むには、まず無法集団である暴力団とその構成員にたいして、警察による暴力団規制法などのあらゆる現行法規を活用しての厳正な取り締まりが必要です。同時に、それだけでなく、暴力団を利用したり、暴力団との関係を容認したりする風潮を許さない世論を作ることが大事です。
取り締まりは、人、金、モノという三つの面から厳正におこなうことが必要です。警察は、四万三千五百人といわれている暴力団の組員の一人ひとりについて情報をもっています。組員の違法行為には、あらゆる法令を適用して取り締まることはもちろん、組織を支える資金源にもメスを入れることです。暴力団の主要な資金源である覚せい剤など薬物による不正収益の没収や刑事訴追をきびしくおこなうことも当然です。
けん銃や覚せい剤などは、所持するだけで違法となるもので、そういう視点での取り締まりが求められます。これまで警察官が検挙の成績をあげるために、暴力団からけん銃の提供を受けるといった、警察と暴力団の癒着がたびたびありましたが、こうした癒着を断ち切ることなしに徹底取り締まりは望めません。最近の暴力団は、会社を経営するなど、表の世界での資金調達が増えています。このような経済活動についても暴力団の威力を用いた行為がないか、よく監視するとともに、適正な課税をおこなうことも必要です。
取り締まりと合わせ、政財界などが暴力団を利用したり、暴力団の存在を容認したりする風潮を許さないことも大切です。先ごろ、森首相がかつて元暴力団組長の長男の結婚式の仲人をつとめたことが報道され、批判を受けました。高知では、暴力団との関係を自慢した人物の体育協会会長就任について、知事が待ったをかけストップさせましたが、こうした暴力団を容認しない声をあげていくことです。(杉)
〔2000・9・3(日)〕
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