住民参加の事業評価制度とは?

2000年 9月 25日 (月)「しんぶん赤旗」


 〈問い〉 日本共産党は、公共事業にかんして、住民参加の事業評価制度をつくるべきだと提案しています。どういうものなのですか。(岡山・一読者)

 

 〈答え〉 いま、むだや環境破壊の公共事業をなくすためには、欧米で実現しているような、民主的な事業評価制度が必要です。住民参加の「事業評価制度」の確立は、先の臨時国会の代表質問で不破委員長が提案したものです。

 具体的には、(1)事業の必要性、採算性、環境への影響の三つの角度から十分な吟味をする、(2)事業が始まってからではなく、計画、事前、事後の諸段階にわたる評価、とくに計画段階での評価・点検を重視する、(3)住民・市民の参加を制度的に保障する、というものです。

 日本の大型公共事業は、第一に、事業の目的が定かでない、第二に、初めから採算が度外視されている、第三に、環境破壊の危険があるなど、最初から重大な欠陥が指摘されながら、毎年予算をつぎこみ続けているという、「欠陥事業」が少なくありません。欧米では、環境への影響評価(環境アセスメント)や事業の必要性などを吟味評価する制度が確立されています。また、評価するに当たっては、公聴会などで直接、市民の声が十分反映できるようなしくみになっており、住民との合意形成が重視されています。

 日本では、建設、運輸、農水など五つの省庁が事業を「再評価」する制度を設けていますが、実際には、いったん計画がスタートしながら中断している「問題事業」などを中止・休止するものでしかありません。日本も、欧米で実現しているような評価制度を確立すべきです。

 日本共産党の提案は、公共事業の重点を国民生活優先の生活型の事業にしていくうえでも、むだな大型開発をなくして、財政再建に道をひらいていくうえでも、建設的な役割を果たすものと考えます。(豊)

  〔2000・9・25(月)〕

 

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