アジアの平和の流れとは?



 〈問い〉 アジアでは、紛争の話し合い解決といったことをふくめ、平和の流れが大きな流れになっているということですが、具体的にどういう流れなのですか。(大阪・一読者) 

 〈答え〉 世界人口の五五%が住むアジアでは、二十三カ国のうち二十カ国が非同盟諸国運動に加盟し、東南アジア非核地帯条約も結ばれるなど、平和への強い流れがあります。昨年、東南アジア諸国を歴訪した日本共産党の不破委員長は、アジアでの非同盟の潮流、非核兵器の潮流、軍事ではなく話し合い解決の潮流の「強力な源泉が東南アジアにある」と指摘。この地域では「長年のいろんな経験から、どんな問題もまず平和解決、話し合い解決ということを先にたててやろうという機運がずっと流れてい」るとのべています(本紙一九九九年十月一日付)。

 このことは、最近の動きによっても裏付けられています。九九年十一月の東南アジア諸国連合(ASEAN)十カ国と日本、中国、韓国の首脳会議の共同声明は、「東アジアにおける恒久平和と安定にむけて、相互理解と信頼を増進させるため、対話、調整および協力を継続する」とし、国連憲章の目的と原則や平和五原則などを各国間の関係の基礎とすることを確認。議長国フィリピンのシアゾン外相は、東アジアでの平和と安定、安全保障を含む協力の枠組みは、軍事同盟ではなく、話し合いであるとのべています。地域の主要諸国によってこれらの原則が確認されたことは、重要です。

 中国とベトナムは、九一年の関係正常化以来、国境線画定の交渉を続けてきましたが、九九年十二月、陸上の国境問題を基本的に解決し、三十日、条約に正式に調印しました。国境問題を交渉によって解決した例として注目されます。

 北朝鮮との間でも、交渉によって問題解決をはかる動きが広がっています。米朝関係、韓国・北朝鮮関係の一定の前進にくわえ、九九年十二月には日本の超党派国会議員団が訪朝し、前提条件なしで国交正常化のための政府間交渉を再開するようそれぞれの政府に促すことで北朝鮮側と合意しました。

 日本政府は、新ガイドライン法を成立させるなど軍事的対応を優先するこれまでの立場を改め、アメリカいいなりの外交からアジア重視の外交に転換し、アジアの平和の流れに積極的に加わるべきです。(紫)

〔2000・1・6(木)〕




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