2000年12月20日(水)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 幼稚園と保育所を一体化させる問題について、日本共産党はどのように考えますか?(茨城・一読者)
〈答え〉 幼稚園・保育所は、乳幼児期の子どもたちの心身のすこやかな発達を確かなものにするための幼児教育施設であるとともに、多様でゆたかな活動を通じて小学校入学前の基礎をきずく、就学前教育施設としての役割をになっています。しかも、四、五歳児の九十数%が幼稚園・保育所に通うなど、幼児教育は事実上準義務教育化しています。
ところが、現行の制度では、幼稚園は三歳以上の学校教育施設(所管・文部省)、保育所は「保育に欠ける」児童を入所させる児童福祉施設(所管・厚生省)と行政が二元化しているため、入る施設によって教育・保育の内容などに差が生まれています。たとえば、教育・保育内容、保育時間、親の負担、保育士・教諭の資格、うけもつ子どもの数、施設設備のちがいがそれです。また、五歳児の場合、宮城県では七五%以上の子が幼稚園に通い、長野県では七〇%以上の子が保育所に通うなど、幼稚園、保育所の地域的偏在もそれに拍車をかけています。
日本共産党は、これらの矛盾を解決し、子どもの状況や親の希望に応じて、幼児教育を受けられるよう、希望者の全員入園の道を開くとともに、行政を一元化していくことが必要だと考えます。当面、幼稚園には保育機能を、保育所には教育的機能を拡充・強化して、教育・保育の内容の接近をはかることを主張しています。
具体的には、幼稚園の保育時間の延長と午睡や給食の施設の拡充、保育内容と小学校教育とのつながりの見直しなど、保育所の教育的機能の充実、幼稚園設置基準と保育所最低基準の引き上げと統一、保育士・教諭の教育養成制度の充実・改善、研修の保障と交流の促進、保育料など父母負担の軽減と私立幼稚園への補助の増額等を急ぐ必要があります。このために、保育・教育予算を増額すること、深刻な待機児童問題の解決のために保育所の新増設などが重要になっています。(み)
〔2000・12・20(水)〕
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