日本共産党

2000年2月3日「しんぶん赤旗」

議案提案権が倍以上になるとは?


 〈問い〉 地方自治法の改正で、日本共産党が議案提案権をもつ自治体が二倍以上になるそうですが、これはどういうことなのか、議案提案権の意味も含め教えてください。(島根・一読者)

 〈答え〉 地方議員には、住民要求を実現させるうえから、議会に条例などの議案を提出する権利があります(予算案の提出権は首長に限られている)。これが、一般に議案提案権といわれる議案提出権です。

 条例案の議案提出権は、これまでは地方自治法で「議員の定数の八分の一以上の者の賛成がなければならない」としていましたが、昨年七月の地方分権一括法による地方自治法の「改正」で、今年四月一日から、「議員の定数の十二分の一以上の者の賛成」へ緩和されました。予算を含む提出された議案にたいする修正動議の発議権も同様です。地方分権一括法の本質は、中央による地方統制をつよめる悪法ですが、部分的には今回のような改定も含まれています。

 もともと戦後の自治法では、議員一人ひとりに議案提出権が認められていましたが、一九五六年の自治法「改正」で「八分の一以上」の制約が加えられていました。

 地方議会で議案提出権をもっている日本共産党の議員団は、今回の「改正」により四百七十三議員団(二〇〇〇年一月八日現在)から、一気に二倍以上の千を超える議員団に増えます。

 各地の日本共産党の地方議員は、住民運動と一体となってこの議案提出権を活用し、切実な住民要求の実現をめざして努力しています。東京・墨田区の中小企業対策は全国的にも先進例といわれていますが、一九七八年の「中小企業振興条例」の成立以降、区の対策が抜本的に変わりました。この「中小企業振興条例」は、中小業者を中心とした住民運動とむすんだ党区議団が、議案提出権をつかって提案し実現をせまりましたが、議論のなかでは各会派も反対できず、「区長提案に変えてほしい」との要望と、区側の意向も示されるなかで共産党案は撤回し、区長案が提案されて全会一致で成立しました。

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 〔2000・2・3(木)〕


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