2000年10月19日(木)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 年金制度が改められたことで、いちばん打撃を受けるのは青年だそうです。具体的にどうなるのですか。
(愛知・H生)
〈答え〉 いまの年金制度は、すべての国民共通の制度としての国民年金(基礎年金)を土台にし、その上に報酬(収入)に比例して支給される共済年金(公務員が加入)、厚生年金(民間労働者が加入)などが乗る二階建てのしくみになっています。
自民党・連立与党は、九四年の年金法改悪で、基礎部分にあたる国民年金の支給開始年齢六十歳を段階的に六十五歳までに遅らせてしまいました。この時点では、厚生年金の報酬比例部分は六十歳になれば支給されることになっていました。ところが、自民党・連立与党は、ことし三月の国会で、さらに年金法を改悪し、厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢を二〇一三年から段階的に遅らせ、二〇二五年には六十五歳支給にしてしまうようにしました。これによって、現在三十九歳以下(一九六一年四月二日以降生まれ)の男性、三十四歳以下(六六年四月二日以降生まれ)の女性は、六十代前半には一円も年金がもらえないことになりました。
二十代の夫婦のモデル(夫二十歳・妻十八歳、夫婦とも二十歳から厚生年金に加入、妻は二十六歳から専業主婦)を見ると、本来なら六千百万円もらえるところが、六十五歳支給などの改悪によって、四千九百万円しかもらえない、つまり支給額が千二百万円もカットされることになります。
「いまでさえ仕事がないのに、六十歳からの雇用の保証はあるのか」――青年の間に不安が広がるのは当然です。
青年を含め、年金制度への国民の不安をなくすためには、改悪した制度を元へ戻し、年金制度をいっそう充実させることが必要です。日本共産党は、公共事業に偏重した財政支出を国民の暮らし、社会保障中心に改めるとともに、年金制度を国民本位の立場で改革すること――国庫負担の引き上げ、世界に例のない年金積み立て金のためこみ方式をあらため、計画的にとりくずすこと、少子化対策に本腰を入れることなど――を主張しています。
(豊)
〔2000・10・19(木)〕
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