2000年10月28日(土)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 国際的な金融投機の問題で、ヘッジファンドという集団の名前を目にしますが、どんな集団なのですか。
(新潟・一読者)
〈答え〉 ヘッジファンドは、富裕な資産家や機関投資家から多額の資金を集め、国際的な為替、株式、債券などの市場で、さまざまな手法を使って高い収益をねらう投機集団です。
IMF(国際通貨基金)のリポート(九八年)によると、総数は世界で一千百、運用資産は一千百億ドルですが、ジョージ・ソロス氏の率いるクオンタムをはじめ、タイガー、スタインハートといったひとにぎりのヘッジファンドだけで、運用資産の大半を占めるといわれます。
ヘッジファンドは、もともとアメリカの株式の運用などで、リスク(危険)をヘッジ(回避)するためのファンド(基金)という意味でしたが、今日では、レバレッジ(てこ)といわれる効果をきかせて、運用資産の何倍もの取引をおこない、国際経済に影響を与える投機集団になっています。
その活動の特徴は、(1)居住地をオランダ領アンティル、ケイマン、イギリス領バージン諸島、バミューダなど、タックス・ヘイブン(租税回避地)と呼ばれる国際的な“税金天国”、脱税地に置く、(2)ファンドの顧客数を絞ったりすることで、投資に適用されるさまざまな規制を免れる、(3)さまざまな投機の戦略、テクニックをもちい、世界経済のなかで、将来くずれるところを見いだし、大きくくずしてもうけるといった荒稼ぎをする、等々です。
九七年のアジアの通貨危機も、ヘッジファンドなどの投機活動で大量の資金が流出入したことが引き金になって起きたものでした。
こうした一国の通貨を暴落させるほどの金融投機の横行にたいしては、国連の諸機関からも民主的な規制を加える必要性が強調されているのが最近の注目すべき特徴です。
(豊)
〔2000・10・28(土)〕
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