2000年11月5日(日)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 近辺で、いくつかの小学校を一校にまとめる統廃合計画が起こり、通学の安全や勉学条件などで、不安が起きています。日本共産党は、学校の統廃合問題をどのように考えますか。(北海道・一読者)
〈答え〉 いま、各地で公立小中学校の統廃合が進んでいます。東京都では、この十年間に八十六の小学校が統廃合の対象になり、三十六校の減(三月三十一日現在)。いずれも「少子化」を理由に進められています。
父母のみなさんからは「今の学校(小規模校)は、校長先生が、一人ひとり名前を呼んであいさつするくらい目を配ってくれたが、統廃合するとどうなるのか」「学校が遠くなり、交通事故などおこらなければよいが」など不安の声も聞こえてきます。
日本共産党は、七〇年代から、教育的配慮を欠く学校統廃合はやめるべきであり、地方自治体と住民が真に教育的観点に立って統廃合が決められるようにすることを主張してきました。そして、(1)財政的理由による統廃合をやめさせる(2)小規模校であっても教職員の増員や教材などの充実をはかる(3)住民の賛成のもとで統廃合をすすめる場合でも、低学年の分校の確保や通学の安全をはじめ健康を守るための措置をとらせることなどを要求してきました。そのことがますます重要になっています。
『ユネスコ文化統計年鑑一九九八』によれば、初等教育(修学年限は五〜六年)の学校規模(各国の学校の平均子ども人数)は、日本三百三十一人にたいしヨーロッパ等の先進諸国はフランス九十九人、イタリア百三十八人、イギリス百八十八人など二百人以下になっており、小規模校が世界の流れです。統廃合を進めるため、当局は「多人数の方が子どもたちにとって切磋琢磨(せっさたくま)できる環境」などといいますが、本当にそうなのか、父母、住民の参加による総合的検討が必要です。
いま、求められているのは、「少子化」を理由に安易に学校を統廃合するのではなく、一人ひとりの子どもの教育にとってどういう教育条件が必要なのかを、父母、住民の参加で総合的に検討し、合意を得ておこなうことではないでしょうか。
(加)
〔2000・11・5(日)〕
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