安保廃棄と国際ルールの関係は?

 2000年12月3日(日)「しんぶん赤旗」


 〈問い〉 核持ち込み、米軍基地等々、安保条約が日本にとって災いのもとであることはわかりますが、安保条約を一方的に廃棄することは国際ルールからみてどうなのですか。(神奈川・一読者)

 

 〈答え〉 国際法上、問題はまったくありませんので、ご安心下さい。なぜなら、安保条約の廃棄は、安保条約そのものの終了手続きにもとづいておこなわれるからです。安保条約の第一〇条には次のように書かれています。

 「もつとも、この条約が十年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行われた後一年で終了する」

 現行の安保条約が効力を発生したのは一九六〇年六月二十三日です。それから十年後の一九七〇年六月二十三日以降は、国際ルール上、安保条約の廃棄にアメリカとの交渉もアメリカの同意もいらないしくみになっていて、日本政府が通告しさえすればすむのです。たとえば、きょう、日本政府がアメリカに安保条約をなくしたいといったとしたら、来年の十二月三日までに、アメリカは日本中の基地を全部返還し、アメリカ軍を撤退させることを条約上、義務づけられているわけです。

 しかも日本共産党は、選挙を通じた国民多数の支持を得て安保条約廃棄の意思をもつ政府をつくり、国会の議決もへた上で、アメリカ政府に安保条約の廃棄を通告する方針を明らかにしています。安保条約の廃棄通告は、国際ルールにも民主主義の原則にも合致しておこなわれます。

 もちろん日本共産党は、安保条約を廃棄してアメリカと敵対しようといっているのではありません。アメリカとの間に、主権の尊重、領土不可侵、紛争の話し合い解決、平等・互恵の経済協力を内容とする日米友好条約を締結し、日米関係を戦前の敵対でも戦後の従属でもない真の友好関係に改革しようと主張しています。それが実現すれば、日米両国民にとってはもちろん、アジアの平和にとっても大きな意義を持つことになるでしょう。(ま)

〔2000・12・3(日)〕

 

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