2001年1月 10日(水)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 日本の超低金利政策は、年金生活者などにとって大きな打撃になる一方、ローン支払い者などから見るとのぞましいようにも見えます。超低金利政策をどう考えますか。
(東京・一読者)
〈答え〉 日本銀行は、一九九一年七月に公定歩合を年利六・〇%から五・五%に引き下げて以来、公定歩合を九回も引き下げ、これに連動する形で、短期金利(コールレート無担保翌日物、銀行間の一日間だけの担保をとらない資金貸借の金利)を低めに誘導する超低金利政策をすすめてきました。日銀は、九九年二月、コールレートを〇・一五%にまで引き下げ、貸す側の仲介手数料を除くと事実上金利がゼロになるゼロ金利政策までとるに至りました。
昨年八月、日銀はゼロ金利政策を解除し、コールレートを〇・二五%前後に設定しましたが、超低金利という異常な金融政策の基本は維持されたままです。
超低金利政策は、国内の預金の金利も低くさせるので、国民から見ると財産(本来支払われるべき利息)を奪われるのと同じ結果をもたらします。ゼロ金利政策を含め、九年間にわたる超低金利政策は、年金生活者を含め国民から約三十兆円にのぼる利子所得を奪い、個人消費減退の重要な要因となってきました。一方、大銀行は、超低金利政策によって、ばく大な業務純益をあげながら、中小企業への“貸し渋り”を続け、あふれた資金は投機に向かいました。
この間、日本の金利をアメリカの金利よりも低く操作することにより、日本の資金がより高い金利を求めてアメリカに流れ、ウォール街(アメリカ株式市場)のバブル株高を支え、アメリカの経常収支(国際収支上)の大赤字を埋めるシステムが作られました。超低金利政策は、アメリカに従属する日本経済のゆがみを象徴的に示すものの一つです。
日本共産党は、日本の金融と経済を大きくゆがめる超低金利政策は改めるべきだと主張してきました。同時に、“貸し渋り”の解消はもとより、中小企業融資や住宅ローンなどの負担の軽減については、低利の公的融資や税制上の措置など必要な対策をとるべきだと考えます。 (豊)
〔2001・1・10(水)〕
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