2001年2月3日(土)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 沖縄の米兵犯罪が大きな問題になっていますが、沖縄では米兵犯罪がどのくらい起きているのでしょうか。(兵庫・一読者)
〈答え〉 ことしに入って沖縄では、女子高生への強制わいせつ事件、女性スナック経営者への障害・器物損壊事件と米兵・軍属の犯罪が続き、県民の怒りが広がっています
一九九五年に米兵による少女暴行事件が起きたとき、県民はこぞって米兵犯罪の根絶、日米地位協定の改定、基地の整理・縮小を要求しました。しかし、その後も犯罪はくり返し起きています。沖縄県の統計を見ると、凶悪犯、粗暴犯、窃盗犯、風俗犯等々の米軍犯罪の検挙数は、一九九五年から九九年の五年間で二百三十九件にのぼります。
七二年の本土復帰以降の米兵犯罪は約五千件に達し、そのうち一〇%以上は凶悪犯罪です(殺人は十三件)。昨年、沖縄県議会で県警が明らかにした八六年から九八年までの米軍人・軍属の犯罪の統計を見ると、この期間の日本国内での米兵による殺人、強盗、婦女暴行などの凶悪犯罪は百二十九件、そのうちの五一・九%、六十七件が沖縄で起きています(殺人は十一件のうち四件、婦女暴行は三十九件のうち二十三件)。
沖縄は、「基地のなかに沖縄がある」といわれるほどの米軍基地過密地帯であり、しかも米軍基地は、普天間(ふてんま)基地など人口密集地のど真ん中にあります。昨年十二月、沖縄で講演したキャンベル前米国防副次官補は、沖縄の過重な基地負担の現状について、「一つのかご(沖縄)にあまりに多くの卵(米軍基地)を入れすぎた」とのべました。犯罪を犯した米兵は、日米地位協定にもとづく特権によって守られ、公務中の事件・事故にたいする第一次裁判権も日本側にはありません。
沖縄県議会は、一月十九日、今回の強制わいせつ事件で意見書を全会一致で採択、県議会として初めて海兵隊の削減を要求しました。これは県民のさしあたっての共通の願いです。同時に、沖縄の米兵犯罪を根絶させ、県民が真に安心して暮らせるようにするために、基地のない平和な沖縄を実現することがますます重要になっています。
(遠)
〔2001・2・3(土)〕
住所、氏名(匿名可)を明記の上、〒151―8675、東京代々木郵便局私書箱62号 赤旗編集局知りたい聞きたい係まで。FAXは、03(3350)1904。
機能しない場合は、上にあるブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。
著作権:日本共産党中央委員会 〒151−8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4−26−7 |