2001年2月10日(土)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 昨年暮れ、政府が男女共同参画基本計画というものを作りましたが、どういう計画なのですか。(岩手・一読者)
〈答え〉 一九九九年、男女共同参画社会基本法が公布・施行されましたが、この法律にもとづいて昨年十二月、政府が決めたのが男女共同参画基本計画です。
計画は、政策・方針決定過程への参画の拡大、雇用分野等での均等な機会・待遇の確保、男女の職業生活と家庭・地域生活の両立の支援など十一項目について、二〇一〇年までの基本的な方向、二〇〇五年までの具体的施策を掲げています。この中には、妊娠・出産を理由とする不利益扱いへの対応、仕事と子育ての両立支援のための長時間残業免除請求制度といった新制度の検討、女性の公務員の採用・登用や審議会への参画の促進等、政府の姿勢次第ですぐできる施策も盛り込まれています。
同時に計画の内容には、男女共同参画審議会の答申やこれまでの政府の計画からも後退している部分が少なくありません。世界の中でも異常な男女の賃金格差の是正という重要問題が抜け落ちているのをはじめ、全体に企業の責任の問題への言及がないこと。差別の救済を国連に求めることができる女子差別撤廃条約選択議定書の批准の問題にふれていないこと。夫婦別姓を選択できるようにする民法改正を今後五年間の検討課題にしてしまっていること、等々。
日本共産党は、基本計画が発表された直後、計画の充実とあわせ、当面、要望の強い四項目について政府に実施を求めました(昨年十二月十九日)。(1)女子差別撤廃条約選択議定書の批准(2)審議会、部会、専門委員会への女性の参画(三〇%以上)(3)選択的夫婦別姓制度の導入を含む民法改正への着手(4)女性への暴力に対応する法制定に積極的にとりくむ。
政府の計画が弱点をもつのは、おおもとの男女共同参画社会基本法が企業の責任を明言しないといった問題点をもつことと関連しています。計画にふくまれる積極的な内容はただちに実行するよう迫りながら、基本計画を改善・充実させていくこと、そのためにもあらゆる分野で女性の要求や実態にたった運動をすすめることが大切です。
(豊)
〔2001・2・10(土)〕
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