日本共産党

大規模化すれば農業は発展する?

 2001年2月11日(月)「しんぶん赤旗」


 〈問い〉 日本の農業は大規模化していくことで発展するという意見についてどう考えますか。(岡山・一読者)

 

 〈答え〉 自民党政府は、自由化による国際競争に対抗できる農業を育てるためには農業経営の大規模化が必要として、それを農政の中心にしてきました。

 いま、この政策のもとで経営規模を拡大した農家はどうなっているでしょうか。農地取得や大型農機具購入などで多額の借金を背負った上、コメをはじめ農産物の価格暴落で大打撃を受け、「大規模農家『もう限界』」(全国農業新聞二〇〇〇年八月四日付)と報じられています。政府のいい分は事実によって破たんしています。

 日本の農業の発展を考える場合、農家が自らの力量に応じて経営規模を拡大したり、共同経営や集団営農などによって経営の維持・改善をはかることは大切です。しかし、日本の農業のおかれている自然的、歴史的条件を無視して、大規模化を無理やり押しつけるやり方は農家と農業を破滅に追い込むだけです。

 日本の国土は平地が少ないため、農業は農地と宅地が混在しているのが特徴です。また、稲作を含め農地の多くが傾斜地にあります。それが、農地を細分化したり、兼業の機会を得やすいなどの社会的条件にもなっています。こうした条件、実情を踏まえて日本の農業の発展を考えるなら、単一作物を大規模生産できる専業農家だけでなく、コメと野菜、コメと畜産など地域の条件に応じた複合的経営による専業的な農家や兼業農家を含めて、現に農業を営んでいる農家が生産を続けられるよう援助することがまず大切です。

 まして、いまの日本は、農産物輸入自由化、農業切り捨ての自民党政治のもとで、食料自給率が四〇%にまで落ち込んでいます。自給率の向上を真剣にめざそうとすれば、専業農家も兼業農家もともに支え、経営を安定させていく以外にありません。

 日本でいま大切なのは、日本共産党が主張しているように、家族経営を基本にした日本農業の再建による食料自給率の向上に真剣にとりくむことです。

(龍)

〔2001・2・11(日)〕

 

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