2001年2月17日(土)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 最近、女子差別撤廃条約の選択議定書が発効したという報道がありましたが、この選択議定書とはどのようなものなのですか。(山形・一読者)
〈答え〉 女子差別撤廃条約(女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約)は、政治、経済、社会などあらゆる分野で女性差別をなくすことを定めた条約です。
雇用の場での差別をなくすための「すべての適当な措置」、仕事と家庭の両立のための「保育施設網の設置および充実」の促進をはじめ男女平等のための措置をとることを締約国に求めています(日本政府は八五年に批准)。
昨年十二月に発効した選択議定書は、条約違反の差別で被害を受けた女性(個人または集団)が、国連の女子差別撤廃委員会にたいして通報できる制度を定めたものです。
通報できるのは、最高裁の判決でも差別が是正されないなど国内手続きを尽くしていることが基本ですが、問題の解決が不当に引き延ばされている場合などにも通報できます。通報を受けた委員会は、その内容が差別撤廃条約という国際的基準に照らして違反しているかどうかを審査し、締約国に意見や勧告をおこないます。
委員会の意見や勧告には法的拘束力はありませんが、国際的基準にたった判断は、女性の地位向上に大きな力となるものです。
現在も、賃金や昇格・昇進の格差是正を求めて裁判で長期にたたかっている女性たちがいます。
こうした現状を改善し、日本での男女平等をすすめる力にしようと、国際婦人年連絡会(四十八団体)や日弁連などは日本政府に早期批准を求める運動をひろげています。
日本共産党は昨年十二月、「男女共同参画基本計画」についての政府への申し入れのなかで「ただちに批准すること」を要望しています。
選択議定書には、通報制度のほか差別撤廃委員会による調査制度も設けられています。現在までに、フランス、イタリア、デンマーク、ニュージーランドなど十五カ国が批准しています。(坂)
〔2001・2・17(土)〕
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