〈問い〉 日本共産党は国民の文化的権利を重視していると聞きますが、どういうことですか。(東京・一読者)
〈答え〉 文化への権利は、国民の基本的権利の一つで、世界の流れとなっています。
第二次世界大戦後の世界人権宣言(一九四八年)や国際人権規約(A規約、六六年採択)で国際的に確立しました。その後、ユネスコの一連の声明や勧告によって、より豊かに発展させられてきています。
権利の内容としては、すべての人が、文化的な生活に参加でき、また創造、鑑賞等の活動の自由が保障され、創作者の権利が保護されることなどを含んでいます。ヨーロッパの進んだ国では、文化への権利を尊重する考えが政治に反映しているので、文化に手厚い予算を組んでいます。
日本はどうでしょうか。国際的にも異常な長時間・過密労働が野放しにされ、国民は自由に余暇を楽しむ時間をとれない。文化の一極集中的状況が進み、芸術文化に接する機会の地域的格差が広がる。芸術家・芸能人の特殊性に目配りした社会保障がない、等々。「文化立国」といいながら、ヨーロッパの主要国と比べ十〜数分の一という国の文化予算は、文化への権利をまじめに考えようとしない自民党政治の姿を端的に示しています。
日本共産党は、文化が社会進歩と人間の自由な発展に欠かせない活動であり、国際的到達をふまえ文化への権利を保障することが大変重要だと考えます。それは、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」(一三条)、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(二五条)を保障する日本国憲法の精神にも合致します。
日本共産党の綱領的文書である「自由と民主主義の宣言」は、「創造、批判、発表、鑑賞をふくむ文化、芸術活動の自由を保障する」「自己の思想や主張などを発表しうるように物質的な保障を確立する」ことをうたっています。それらをふまえ、「文化提言」(九五年)などで、世界から遅れた文化行政を、文化を大事にする政治に切りかえ、文化への権利が日本の政治の常識になるよう重視してきているのです。(学)
〔2001・2・22(木)〕
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