〈問い〉 日本共産党は、学習指導要領にもとづく「超過密」「超スピード」の教育内容の押しつけを問題にしています。どんな実態なのでしょうか。(神奈川・YUYA)
〈答え〉 つめこみと系統性を欠く学習指導要領が国と地方の教育行政によって学校と教育に押しつけられていることが、超過密・超スピード授業をもたらし、子どもを苦しめています。
現行の学習指導要領は八九年に改訂されたものですが、とくに小学校低学年のつめこみを助長したものとして知られています。
小学校の国語では、たとえば小学一年生で習う文字数は以前は一週間あたり三・七文字だったのが、六・八文字になりました。現場の先生からは「国語の指導内容が多すぎて子どもたちがとまどっている。授業中、わからなくて泣き出す子もある」などの深刻な声がいっせいにあがりました。
算数でも、小学校二年生でやっていた時計の分までの読みを一年生に、六年でやっていたミリリットルを二年に、アール、ヘクタールを四年に、など低学年でのつめこみがすすみました。時計の読みでは、六十進法がのみこめない小学一年生の子どもたちに「午後一時五分から五十分前の時刻は」などのむつかしい問題が出され、現場の先生からは「時計は半分くらいつまずく」と指摘されました。
二〇〇二年度から実施が予定されている新学習指導要領は、学校完全五日制の実施に伴う授業時間の減少に合わせて、学習内容を虫食い的に削ったもので、基本的に「つめこみ」は解消されず、教科の系統性がさらに損なわれる等の問題が山積しており、実施前から実施中止を求める声があがっています。
日本共産党は、学習内容を精選して、基礎的な事項に十分な手だてと時間をかけて教えるなど、すべての子どもに基礎的な学力を保障する学校教育の改革を提案しています。学習指導要領については、内容を抜本的に見直すとともに、画一的な押しつけをやめさせることが急がれます。(森)
〔2001・3・10(土)〕
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