2001年3月14日(水)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 日本共産党はASEAN地域フォーラムを重視していますが、ASEAN地域フォーラムとはどういうものなのですか。(京都・一読者)
〈答え〉 ASEAN地域フォーラム(ARF)は、アジア太平洋地域で唯一の多国間の安全保障対話機構です。東南アジア諸国連合(ASEAN)がその運営の中心になっています。昨年七月、北朝鮮が新規に参加し、東アジアのすべての国が参加するに至りました。
東アジア以外では、アメリカ、カナダ、ロシア、オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、インド、欧州連合(EU)が参加しています。
ARFには政府間と非政府間の活動があります。政府間会合で最も高いレベルは、毎年一回ASEAN外相会議の際に開かれる閣僚(外相)会議です。
政府間の実務級の活動として、信頼醸成、災害救助、平和維持活動、捜索救難の四作業部会が置かれています。
ARFは安全保障問題を協議する場ですが、北大西洋条約機構(NATO)のような一つの軍事同盟に加わっている国々の集まりではなく、アジア太平洋地域の平和と安定にかかわりのある国や機構が協議を通じて相互信頼を築くことを最も優先しています。
ASEANは、独立・主権・平等・領土保全の尊重、内政不干渉、武力の不行使、相互協力などを原則にした地域協力機構です。毎年の外相会議の直後に開かれるASEAN拡大外相会議で、多国間の安全保障協議を求める機運が起きたことから、この活動で重要な役割を果たそうと一九九四年、ARFを開始しました。
ARFは、ASEANが中心に座っていることから、内政不干渉の原則や、全参加国・機構が納得できる合意(コンセンサス)による決定を重視しています。
日本共産党第二十二回大会決議は、党のアジア外交重視の活動を踏まえ、東アジアで力強く動きはじめた平和の流れをいっそうたしかなものにしていくうえでも、ARFを重視するとのべ、ARFが東アジア地域の平和と安全のための対話機構として発展していることに注目しています。(北)
〔2001・3・14(水)〕
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