2001年4月14日(土)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 日本共産党は中小企業を守るために下請け二法を活用すべきだと主張していますが、どういう法律なのですか。(愛知・一読者)
〈答え〉 下請け二法とは、下請代金支払遅延防止法(下請け法または下請け代金法)と下請中小企業振興法(下請け振興法)のことです。
下請け代金法は、親事業者と下請け事業者の取引を公正にして、下請け事業者の利益を保護することを目的としています。親企業が、その有利な立場を利用して、契約書面を交付しなかったり、代金の支払いを遅らせたり、買いたたきや返品、受領拒否など下請け企業に不利益を与える取引を禁止しています。製造業を営む製造委託・修理委託にかかわる事業者が対象です。毎年、違反件数は千件を超えています。しかし、取り締まる下請検査官は、中小企業庁と公正取引委員会に六十三名しか配置されていないことや、サービス業、運輸業などには適用されないなど問題点があります。
下請け振興法は、親企業の協力のもとに、下請け中小企業を独立性のある企業に育てることを目的にして「振興基準」を設けることや、下請け取引のあっせん、苦情や紛争の相談、調停などの仕組みを定めています。「振興基準」には、親企業が守るべき事項として、下請け企業に仕事を発注する際には、労働時間の短縮の妨げになる短期納入や、不適正な単価を押し付けてはならないこと、取引停止や大幅な取引減少の場合は十分な予告をすること、海外進出や工場移転等の際には、下請け事業者へ配慮すること、などを定めています。しかし、何の罰則もないため、ほとんど守られていません。いま、輸入品の急増、低価格競争の激化のもとで、大企業のリストラや下請け企業の選別等による取引の停止、単価の切り下げ、短期納入強制など、下請け取引の実態は深刻さをきわめ、下請け中小企業の倒産にも影響を及ぼしています。
日本経済を再生させるためにも、下請け二法を厳しく守らせることが必要です。
(永)
〔2001・4・14(土)〕
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