日本共産党

超党派で成立したDV防止法とは? 

2001年4月15日(日)「しんぶん赤旗」


 〈問い〉 超党派でDV防止法が成立しましたが、どんな法律なのですか。(東京・一読者)

 

 〈答え〉 六日、国会で全会一致で成立したDV防止法は、夫などからの女性への暴力(ドメスティック・バイオレンス=DV)を防ぎ、被害者を保護することを目的にした法律です。

 これまで夫などからの女性にたいする暴力は、密室の親密な関係のもとで起きるため発見されにくく、被害者の保護、救済は不十分でした。そのため参院共生社会調査会の中に日本共産党を含む超党派のプロジェクトチームが作られ立法化を準備。今国会に議員立法で提案したのが、同法です。日本共産党も超党派での成立に尽力しました。

 法律は、配偶者(事実婚も含む)からの暴力は犯罪であるとし、国・自治体は配偶者からの暴力を防止し被害者を保護する責務があることを明記。都道府県にある婦人相談所などに配偶者暴力相談支援センターの機能を担わせ、被害者の相談や一時保護、心理的ケア、自立支援などをおこなうこと、都道府県が一時保護を一定の基準を満たす民間シェルター等の施設に委託できること、これへの国からの補助をおこなうことを定めています。

 法律の大きな特徴は、裁判所による保護命令を盛り込んだことです。これは、被害者が新たな暴力によって生命や身体に重大な危害を受けるおそれが大きいとき、被害者の申し立てで地裁が加害者にたいし被害者の生活場所への接近を禁止したり(六カ月間)、同居している住居から退去させたり(二週間)する命令を出せるという制度です(違反すると懲役や罰金)。

 ほかに、医師や看護婦等がセンターなどの情報を被害者に提供するよう努力義務を設けたり、DVの調査研究、身体的暴力だけでなく心身に有害な影響を及ぼす言動も人権侵害であることを社会的に啓発することが盛り込まれています。

 法律は、関係者からも喜ばれており、DV対策の第一歩となることが期待されます。

(高)

〔2001・4・15(日)〕

 

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