日本共産党

雇用対策法への態度は?

2001年4月19日(木)「しんぶん赤旗」


 〈問い〉 国会で雇用対策法が成立しましたが、日本共産党はどのような態度をとったのですか。(神奈川・YUYA)

 

 〈答え〉 十二日に成立した雇用対策法案は、雇用対策法を中心にした、職業能力開発法、雇用保険法、地域雇用開発促進法など五つの法律を一括して改定する法律で、日本共産党は法案に反対しました。

 改定は、募集・採用にかかわる年齢差別の緩和規定といった部分的な改善点はあるものの、中心は「完全雇用の達成」というこれまでの雇用対策の理念を事実上棚上げし、「円滑な再就職の促進」という理念に置きかえること、つまり雇用対策の軸足を雇用の維持から雇用の流動化・不安定化へと大きく転換させたところにあります。三月の完全失業者数は三百十八万人。大企業の大規模なリストラが進み、雇用情勢は戦後最悪の事態になっています。雇用確保の抜本策なしに、「再就職の促進」の名で雇用の流動化が進めば、失業者はさらに増えることになります。

 同法は、ひと月に三十人以上の労働者が「離職を余儀なくされる」ような事業規模の縮小・転換をおこなおうとする時には、事業者は「再就職援助計画」を作成しなければならないとし、さらに「計画」を公共職安所長が認定すれば、在職中の再就職援助措置を国が援助するとしています。これは、「再就職援助計画」を立てさえすれば大量解雇も認められることになる上、不況下の中小企業などの事業規模縮小時におこなっていた援助策を大企業にも適用し、税金で人減らしを援助できるように変質させるものです。

 政府は、歯止めとして労働組合の意見を聞いて「計画」を作ることになっているからリストラに悪用されないといいます。しかし、労働組合の組織率が二割という労使関係の状況を見れば、これが歯止めにならないことは明らかです。

 日本共産党は、異常なリストラ・解雇をおさえ、雇用を守るルールを確立することこそ雇用対策として急ぐべきだと主張しています。      (大)

〔2001・4・19(木)〕

 

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