2001年4月22日(日)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 国会に農業者年金制度の改悪法案が出されているそうですが、どういう改悪なのですか。(長野 Y・K)
〈答え〉 農業者年金は、農業者の老後の生活安定のために国民年金に上乗せして年金を支給する制度です。
審議中の農業者年金制度の改革法案は、(1)年金財政のあり方について、高齢世代の年金給付を現役加入者の保険料で賄う方式(賦課方式)から、支払った保険料が自らの将来の年金になる方式(積立方式)に改める、(2)現行制度下で受給している年金額を平均九・八%減額する、(3)保険料への政策支援(国庫補助)の対象を限定する(認定農業者でかつ青色申告者などに限る)、といった抜本的なものです。
政府は、改革提案の理由に年金財政の悪化をあげますが、年金財政が悪化したのは政府が農産物の自由化や農産物価格の引き下げなどで日本農業を衰退させてきたことによって、新規加入者が激減したからです。
年金受給額の減額は、農業経営を後継者などに譲った経営移譲年金受給者六十六万人が対象で、月額で二千円から四千円にもなります。政策支援措置も、対象を選別するのでなく、農業を主な仕事にしてきた人はだれもが安心して老後の生活がおくれるようにすべきです。
問題は、農業者が高齢化する一方で、若い人が参入しないことにあるのですから、国が責任を持って農業を発展させ、若い人が参入できるよう、農業を展望あるものに変えていくこと、現在の受給者や加入者に負担を押し付けるのではなく、国が責任を負って年金財政を立てなおすことこそ大切です。
農業予算の半分も農業関係の公共事業につぎ込んでいる実態を見直すなら、財源問題も解決できます。
(間)
〔2001・4・22(日)〕
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